「高校への数学」(略して「高数」)は、東京出版から発売されている問題集のシリーズで、高校受験を目指す中学生や中高一貫校に通う中学生の数学の勉強をサポートする教材です。
毎月4日に発売される月刊号と、レベル別・分野別の問題を集めた増刊号があります。
実際僕も中学2年生から3年生の2年間、毎月高数を読んでいました。数学力をつけるうえで欠かせなかったと思います。
今回は、その「高校への数学」の特徴やおススメの使い方などを解説します。
月によっても少しずつ異なりますが、大体以下のような構成になっています。
メインは「数と式」と「図形」の2章立てになっていて、それぞれに「講義」「スタンダード演習」「日日の演習」「基礎固めのドリル」という難易度(レベル)別に問題と解説を集めたコーナーがあります。
また各コーナーでも、問題の難易度は少しずつ異なりますが、各問題の難易度や志望校別にどの問題を解くべきかを示す表が載っていて、自分はどの問題から解いていけばいいのかすぐに分かるようになっています。
問題の解答・解説も親切に書かれているので、数学の問題演習を積みたい人には「高数」は特におすすめです。
毎月発刊されるので、月ごとに「数と式」「図形」それぞれで1単元ずつ特集するような形になっています。例えば4月号だと、年度で最初になるので、「数と式」は式の展開と因数分解、「図形」は相似・線分比と面積比の特集になっています。
まず「講義」は、各単元の要点の解説です。例題もあり、問題を解きながら理解を深めることができます。公立高校、国立・私立高校いずれを目指す人にも向いています。
次に「スタンダード演習」は、主に公立高校を目指す人向けの問題演習のコーナーです。解説は詳しく、問題を解けなかった場合でも理解を深めることができます。
また「日日の演習」は、難関の国立・私立高校を目指す人向けのやや難しい問題を集めたコーナーになっています。こちらも解説が詳しく書かれているので、難しい問題も解けるようになります。
これまでに書いた「数と式」「図形」以外に「学力コンテスト」(通称「学コン」)と「高数オリンピック」があります。
この2つは、めっちゃ難しいです。
「学力コンテスト」は、難関高校を受験する人で数学で高得点を取りたい人にとっては良い練習になると思います。
実際僕が中2で高数を読み始めた頃は全く解けませんでしたが、上で書いた「講義」と「演習」を毎月解いているうちに、
なっていました。一方、「高数オリンピック」は、灘高に2位で合格した僕でも、ほとんど解けませんでした(汗)
なので、高数オリンピックは特に、受験対策で問題を解く必要は、一切、ありません!(笑)
でも数学が大好きな人、数学で息抜きできる人にはぴったりだと思いますよ。
さらに、年度初めの4月号から6月号には前年度の難関国立・私立高校の入試問題が掲載されます。
ちなみに2018年の場合は、筑波大学附属駒場、開成、慶応義塾女子、東京学芸大学附属、東海、灘、愛光、ラ・サール、東大寺学園、筑波大学附属、早稲田実業、慶応義塾、洛南、西大和学園、久留米大学附設、東京都立日比谷、大阪教育大学附属池田、渋谷教育学園幕張、桐朋、京都市立堀川、広島大学附属の計21校の最新の入試問題が詳しい解答・解説とともに掲載されています。
これで値段は毎月1240円(税込)なので、普通に過去問集を買うよりオトクです。
まず、月刊の高校への数学をいつから買い始めるかということですが、僕は中学1年生の4月から買うことをおすすめします。
といっても、中学1年の段階では月刊号の問題はほとんど解けないので、解く必要はないです。中学3年生あるいは中学2年生になった時に解けるように「買いためて」おくんです。
そうすると、「入試対策で問題演習をたくさんしたいな~」となったときに高校への数学だけで事足りますからね。
月刊号は、税込で1240円なので、1年間買いためても1万5千円程度ですよね。塾に通うときの月謝にすれば1か月分程度なので、負担としては大きくないです。
しかも、上で書いたように年度の最初は難関校の過去問も載っていますから、それでこの値段というのは安すぎるぐらいです。
そして、中学3年生になったら本格的に問題を解き始めるわけですが、買いためている分も含めて、4月に4月号の問題を解き、5月に5月号の問題を解く、というふうにやっていけば大丈夫です。
買いためた分まで手が回らないということであれば、最新号だけでも全然大丈夫です。実際僕もそうでしたから。
これまでに書いた月刊号に加えて、増刊号も発売されています。
レベル別に「レベルアップ演習」「Highスタンダード演習」「日日のハイレベル演習」があります。
また分野別に「数式のエッセンス」「図形のエッセンス」といった問題集もあります。